7.パーマカルチャーと子ども

オーストラリアでは、国語、算数、理科、パーマカルチャーというように
パーマカルチャーは、教科として教育のなかで定着しているそうです。

前記事
6.パーマカルチャー　〜パーマカルチャーの倫理観〜 でも書きましたが、

パーマカルチャーでさいしょに学ぶこと（倫理観）は、

1.地球に対するの配慮
2.人に対するの配慮
3.余剰物の分配　　　　の３つです。

人が、この地球上で、どう生きたらよいのかということを、
子どもたちに伝えてゆくこと。

そんな授業が行われています。

訪れたオーストラリアの小学校には、パーマカルチャーガーデン（畑）があり、
そこは、子どもの学びの場であり、親の社交の場でもありました。
校長先生が水まきをしてました。

子どもたちは、
そこで、種をまき、植物（生きもの）に触れ、それを育て、収穫し、
みなで分け、食べます。
咲いたお花の絵を描きます。
野菜くずは、ミミズにやり、食べてもらいます。
たくさん穫れた時にはマーケットをします。

パーマカルチャーガーデンで経験してゆく数々のなかには、
生物、道徳、理科、美術、算数、社会の授業など様々な要素が含まれています。
それらすべてに体を動かし、心を動かすことが、個人個人の学びになります。

パーマカルチャーは、そんなふうに、生きる術のようなものを、
自然と人のつながりのなかで多く体得するものなのです。


パーマカルチャーは、
いわゆる「野菜畑」をさすのではなく、
自然エネルギーを最大限活かすことのできる配置。
微気象を作り出し、多様性を作り出すこと。
それぞれが単体ではなく繋がり合う多機能性を持つことを意識しデザインします。

また、パーマカルチャー ＝ 農　に限りません。
エコビレッジ、地域通貨...のように、
人間が永続可能な社会をつくってゆけることへの、全体のデザイン体系のこと。
コミュニティを築くことは、人と人との関係性づくりであり、
そういった視点からも、子どもたちが学ぶに大いに値するものです。

教育としてのパーマカルチャー。
地球温暖化、自然破壊...
様々な問題を抱える未来に生きる子どもたちへの、大きな希望のように感じます。


[写真／雨水タンクを子どもの背丈に合わせた高さで切って利用したガーデン]


「もりのわ」は、幼児期の野外保育です。
「もりのわ」の「パーマカルチャーと子ども」という視点で考えたとき、
上記のような、たくさんの可能性を持った小学校のガーデンという視点が、
森のなかに、たくさんあるように思います。
森のなかで、様々に思いを巡らせたり、様々な出来事に直面しながら過ごす。

人と自然のむすびつき、人と人とのつながり、
そのなかに、子育ち、人育ちの、大切なことがたくさんあるように思うのです。

心地よい暮らしは、他者（人、そして自然）にとっても心地よいものでないと、
ほんとうとはいえません。

「目にみえないかんじん」
その感覚を知ることこそ、人としての糧です。


「もりのわ」では、
子どもたちにパーマカルチャーといわなくても、
それに通ずることを、自然からのメッセージ、人としての所作として、
大切に伝えてゆきたいと思っています。

遊びながら、多くを吸収するこの子どもの頃に、
パーマカルチャーの倫理を垣間みることは、とても大切な気がするのです。


[写真／キッズガーデンの*ステップストーン（置き石）　かわいい♪]
[*ステップストーン＝畑の土を踏まずに作業するための場所]


（ゆきんこ　記）