子どもに添うということ 〜灰谷さんと沖縄のこと〜
「もりのわ」は、いよいよこの春から始まります。
少し、立ち返って思い出したことがあります。
ずっと、しょうがいのあるみんなに添うしごとをしてきた私にとって、
その頃、「子ども」の世界は、まだ未知なるものでした。
子どもの頃が、その人となりにとって大きいものであると改めて感じ入ったのは、
灰谷さんの本に出会ったことが大きいと思います。
私が大切に思う社会のありようは、
子どもの頃から関わってゆく先に辿りつくのものなのかもしれない、と
ちと大げさですがそう思いました。
もう10年くらい前になるでしょうか、
児童文学作家、灰谷健次郎さんの本を夢中で読んだ時期がありました。
本を読み、号泣しながらその年の除夜の鐘を聞いたことを覚えています(笑)。
私の本棚のひとつは、灰谷さんの本でいっぱいです。
私が、「添う」という言葉をよく使うのは、灰谷さんの影響を受けています。
差別感、しょうがい、子ども、戦争、沖縄...
いろいろな示唆がその物語のなかにありました。
灰谷さんの沖縄が出てくる本を手に、沖縄を旅したことがあります。
船のなかで読みながら、あれ、物語のなかにこれから泊まる宿がでてる!と。
なんという偶然!
その旅は、その島で百姓を始めた方にお会いするために行ったのですが、
その方も、そのお話に出てくる青年なのでした。
私にとって、その宿のお父さんとお母さんは、沖縄のお父さんとお母さん。
お父さんは、灰谷さんをこの島によんだ(移住のきっかけ)人でした。
その後何度か、訪れる度に、「灰谷さん先週までいたよ〜」など、いつもすれ違い。
お父さんに、「会わせてあげたいねー」と言われながら、
数年して、灰谷さんはお亡くなりになりました。
亡くなるすこし前のことなど、沖縄のお父さんに連絡をとりお話をきいていました。
結局、沖縄ではお逢いする機会はなかったのですが、灰谷さんは私にとって、
子どもの世界を教えてくれた人であったと思います。
「天の瞳」という本があります。
その幼年編では、倫叡保育園という保育園に、主人公倫太郎は通います。
園長先生の保育の思いとして、
子どもの自主性、可能性を大切にするというものがあり、
はっちゃけの倫太郎ですが、のびのびと成長し、
とっても気持ちの良い子どもに育つんです。
そして、倫叡保育園の子どもたちは、
小学生、中学生になり様々な問題に向き合うことになるのですが、
けして周りに流されず、じっくり考えて、自分たちの行動をするんです。
倫叡保育園での子どもたちの絆は、ずっと続くんですね。
すてきだなあと思います。
でも、どうしてそうなったか、ということも読んでいるとよくわかるんです。
周りにいた様々な大人の存在もとても大きいのです。
灰谷さんの描いた、倫叡保育園、そして倫太郎たちは、
「もりのわ」のひとつの目標です。
「もりのわ」のはじまりにあたり、遠い記憶を呼び戻した気分です。よかった。
久しぶりに、本、読み返してみようかな。
...沖縄、行きたいなあ。
(ゆきんこ 記)
少し、立ち返って思い出したことがあります。
ずっと、しょうがいのあるみんなに添うしごとをしてきた私にとって、
その頃、「子ども」の世界は、まだ未知なるものでした。
子どもの頃が、その人となりにとって大きいものであると改めて感じ入ったのは、
灰谷さんの本に出会ったことが大きいと思います。
私が大切に思う社会のありようは、
子どもの頃から関わってゆく先に辿りつくのものなのかもしれない、と
ちと大げさですがそう思いました。
もう10年くらい前になるでしょうか、
児童文学作家、灰谷健次郎さんの本を夢中で読んだ時期がありました。
本を読み、号泣しながらその年の除夜の鐘を聞いたことを覚えています(笑)。
私の本棚のひとつは、灰谷さんの本でいっぱいです。
私が、「添う」という言葉をよく使うのは、灰谷さんの影響を受けています。
差別感、しょうがい、子ども、戦争、沖縄...
いろいろな示唆がその物語のなかにありました。
灰谷さんの沖縄が出てくる本を手に、沖縄を旅したことがあります。
船のなかで読みながら、あれ、物語のなかにこれから泊まる宿がでてる!と。
なんという偶然!
その旅は、その島で百姓を始めた方にお会いするために行ったのですが、
その方も、そのお話に出てくる青年なのでした。
私にとって、その宿のお父さんとお母さんは、沖縄のお父さんとお母さん。
お父さんは、灰谷さんをこの島によんだ(移住のきっかけ)人でした。
その後何度か、訪れる度に、「灰谷さん先週までいたよ〜」など、いつもすれ違い。
お父さんに、「会わせてあげたいねー」と言われながら、
数年して、灰谷さんはお亡くなりになりました。
亡くなるすこし前のことなど、沖縄のお父さんに連絡をとりお話をきいていました。
結局、沖縄ではお逢いする機会はなかったのですが、灰谷さんは私にとって、
子どもの世界を教えてくれた人であったと思います。
「天の瞳」という本があります。
その幼年編では、倫叡保育園という保育園に、主人公倫太郎は通います。
園長先生の保育の思いとして、
子どもの自主性、可能性を大切にするというものがあり、
はっちゃけの倫太郎ですが、のびのびと成長し、
とっても気持ちの良い子どもに育つんです。
そして、倫叡保育園の子どもたちは、
小学生、中学生になり様々な問題に向き合うことになるのですが、
けして周りに流されず、じっくり考えて、自分たちの行動をするんです。
倫叡保育園での子どもたちの絆は、ずっと続くんですね。
すてきだなあと思います。
でも、どうしてそうなったか、ということも読んでいるとよくわかるんです。
周りにいた様々な大人の存在もとても大きいのです。
灰谷さんの描いた、倫叡保育園、そして倫太郎たちは、
「もりのわ」のひとつの目標です。
「もりのわ」のはじまりにあたり、遠い記憶を呼び戻した気分です。よかった。
久しぶりに、本、読み返してみようかな。
...沖縄、行きたいなあ。
(ゆきんこ 記)
by morinowa
| 2012-02-07 22:58
| もりのわのキーワード
|
Comments(0)
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
以前の記事
2024年 11月
2024年 08月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 03月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 03月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 08月
2020年 06月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2018年 11月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 07月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2015年 11月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2024年 08月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 03月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 03月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 08月
2020年 06月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2018年 11月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 07月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2015年 11月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
最新の記事
2025 入園案内 |
at 2024-11-03 08:04 |
夏のもりのわ体験週間2024 |
at 2024-08-15 11:38 |
もりのわのわ〜森と畑のめぐみ.. |
at 2024-06-15 18:43 |
丁寧に暮らす 〜春の手しごと.. |
at 2024-05-27 15:35 |
タウンニュース逗子葉山版3月.. |
at 2024-03-28 11:42 |
最新のコメント
(主催者:もりのわより).. |
by morinowa at 10:58 |
(主催者:もりのわより).. |
by morinowa at 10:57 |
コメントありがとうござい.. |
by morinowa at 10:51 |
卒園 おめでとうご.. |
by nene2525v at 09:30 |
君島様 もりのわで.. |
by morinowa at 18:55 |
そうですね。幼虫と成虫の.. |
by morinowa at 00:17 |
アカスジキンカメムシを初.. |
by itotonbosan at 13:32 |
>じいじ様* コメント.. |
by morinowa at 18:07 |
カエデのジイジです。 .. |
by love-all-life at 14:07 |
>kokoさん* メッ.. |
by もりのわ@ゆきんこ at 18:55 |