ちいさなできごとは、たいせつなとき 〜もりのわだより から〜

月にいちど発行している「もりのわだより」の
10月号（18号）より、原文ままに、ご紹介します。

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ちいさなできごとは、たいせつなとき


ある日のこと。小降りの雨。雨宿りもできる"おくがわら" へ。
雨が止み、川原で石の上にいるカマキリをYくんがみつけました。
ハリガネムシに誘導されて水辺にきたであろうカマキリは、
おつかれ気味でぽつんと石の上にいました。
Yくんはその石の隣に石を置きました。
カマキリは置かれた石にうつってきました。
石をおいて川からカマキリを逃がしてあげようとしているのです。
それをみていたTくん、YTくんも加わり石の橋が。
「りゅうじ（かまきりりゅうじ）がんばれー」と皆で声援。








無事川を渡りきったりゅうじを、


Gくんが拍手をし、みんなで拍手。手をふり見送りました。

次に、
その近くにいた同じ境遇でいるであろう "きーりすちょん（ウマオイ）" のところに
今度は石を置いてもなかなかうごきません。

すると
Yくんがしきりに川岸の方向を
「こっちだよ」と指さし。

・・・!!!　

なんと、きーりすちょんに
川岸の方向を
「こっちだよ」と
おしえようとしているのです。



なんとか渡りおえ、２匹を見送りあえたあとすぐ、

こんどはモクズガニを発見！！
大きい子ぐみの３人はとくに大こうふん。
「生きたモクズガニみれた〜」とKちゃん。

モクズガニは足早に川下に移動。
みんなモクズガニ相手に「まってー」とかけっこ。

雨ふりでなかれば、"おくがわら" に来なかったかも。
雨上がりでなければ会えなかったかも。
この子たちでなければおきなかったかものできごと。
子どもたちの様子に心がほっこりとし、
笑い泣きさせてもらうスペシャルな一日となりました。

また、一方でそんな様子に目もくれず独自にあそぶ小しずく（2才）と、
「おなかすいたー」と言うNちゃんも。
その興味の先も今までの森での経験のつみ重ねの先であろうことも興味深いものです

カマキリをつかまえることがちとこわかったんだろうとも思いますが、
石をそっとおきだしたYくんに対し、
つかまえようとせず、より添って石をおきだしたみんなの姿も感動的でした。

「さようなら〜」とりゅうじに声をかけ安堵するかわいい子どもたちの光景は、
まさにもりのわの真骨頂をみた気がしました。
もりのわの一日の、時間にすればわずか数分のちいさなできごとは、
とても大切な心の集う成長のときです。