もりのわの環 vol.1 〜もりのわ畑めぐりと冬のはたけ仕事〜
第一回目は、森戸川林道の入り口にあり、パーマカルチャーの視点をとりいれたキッズガーデンでもある「もりのわの畑」をめぐりました。
「畑を通してのお話だけれど、ご自身でいろいろなことに気づくとうれしい。四季折々変化して、徐々にわかっていくといいと思います。」
その一言ではじまった石井ちゃんのお話。
畑を通して、自分を振り返る。
自然の変化。自分の変化。周りの変化。
そんな時間にしていきたい。
基本の「き」としての今日の会。
書籍の案内。(自然農やパーマカルチャー)
パーマカルチャーについて。
パーマカルチャーとは「永続的な」(パーマネント)+「農業」+「文化」(アグリカルチャー)のこと。
農法ではなく、人としての生き方の所作。
自然農や大地の再生などのエッセンスを取り込んだ哲学とも言える。
人の暮らしの中での大切な衣食住がポイントであり、自分で暮らしを立てること。
*日本の自然農の師、福岡正信翁とパーマカルチャーの創設者ビル・モリソンは
対話している。ビル・モリソンは、パーマカルチャーのそれは既に日本にある (日本の里山文化)と言った。
*ニュージーランドの世界有数のパーマカルチャーサイトである
「レインボーファーム」には「身土不二」の立て札があった。
日本の里山にたくさんのヒントがあるよう。
「頭で考えるものではなく、自分の生き方にしていくこと。
その人それぞれのパーマカルチャーがある。」
藤野や安曇野、オーストラリア、ニュージーランドで学んできたからこその
石井ちゃんの言葉。
パーマカルチャーってカタカナだから、すごく難しいもの遠くからきたもののように思っていたけれど、日本の中にもあるものなんだと固くなっていた肩の力が少し抜けます。
ここちよい暮らしをするための原理原則。
3つの原理
・地球への配慮(環境を壊さない)
・人への配慮(人も気持ちよく)
・余剰物の分配(シェアしましょ)
石井ちゃんのお仲間たちは
これにプラス「自己への配慮」(セルフケア、自己を律する、合意形成など)が
大切だとしているそう。
原則は
・多様性
・合理性
・多種性などなど。
森戸川林道入り口で3年前から借りられるようになった畑は、7.8年前は慣行農法で畑をされていたため、黒いビニールなども出てくるが、少しずつ土作りをして変化してきました。
さてさて、そんな変化し続ける畑をめぐりながらレッスンへ。
まず、
①観察
よくその場所を知ること。晴れの時だけでなく、雨風の時、水や風の流れなどもよく観察する。
②コンセプト
何のためにするのか?
もりのわの畑のコンセプトは。
・蝶やカエルなどが遊びにきてくれる。(森戸川林道の入り口、森の玄関でもあることから)
・子供たちが遊ぶ。
・家庭菜園(自分たちで作ったものが得られる)。
・かわいい。
<溝>
土がギューとなると息ができなくなる(踏みしめる)。
→畑の周りに溝を掘る→竹や炭、枝、落ち葉などを合間に入れる=森の中の土と同じにする空間にして柔らかくする。
<水の通り道>
水が常にあると、植物やいきものが集まることができる。=多種性
水の好きな植物を植える。
*雨が降った時、森から流れてくる水を溝に入るように道を作る。
*車や人が通る道に水たまりができないように畑の溝に水が流れるようにしている。
なぜ? →カエルが卵を産むことがある。水たまりが干上がってしまった時に卵がダメになる。
<デザイン>
人の動線を考慮したデザインを考える。(ゾーニング)
人が一番楽であり(合理性)、華やかで楽しいことも大切。
つながりの良い配置にすること。
Zone 1 キッチンの近く
Zone 2 収穫まで少し時間のかかるもの
Zone 3 果物など(お世話の少ないもの)
Zone 4 より森に近い場所(ほとんど手を入れない)
○曲線
*曲線には風などで落ち葉がたまる。そこにいきものがくる。こなれた葉を畝に乗せることもできる。(堆肥にできる)=多様性につながる。
○キーホールガーデン
曲線。手が届く。使いやすい。
*もりのわ畑では1メートル四方にしており、認知しやすい。
○一筆書きできる道
*ぐるぐると回れるように、子供達が遊べるようなデザインにしている。
○もりのわのマークをモチーフにした畝
*一番小さい子を大きい子たちが見てあげるという配置にしている。
つちぐみ(年長)→しずくぐみ(年小)←このはぐみ(年中)
○立体的
*ティピを立て、その下で遊べるような空間に。
<リサイクル>(人工物でも利用することもある。)
バイクのタイヤを用いたプランター
・タイヤは黒く熱を蓄熱する。なかに土を入れて利用。
・水の近い場所なので、里芋などを植える。収穫後チューリップを植えている。
場所を家庭菜園に移して、、、
自分の場所だけを見るのではなく、隣の畑はどうなっているのかにまで目を向けていくことも大切。と。
公的な貸出農園では学べないことです。。。
<畑作りのポイント>
*葉をかけたり、草マルチ。
森は土の表面が見えていない。畑も同じように土を見せないようにする。
*点穴
冬の間、空気の層ができるように1ヶ月に一度は土に小さな穴を開ける。
*畝間
60センチだと、いろんな野菜が植えることができる。
(株間5,10,15,20,30cmなど)
*畝の高さ
根菜のものは高畝にした方が効率が良い。
畝は、植えてあること、歩く場所がわかりやすくなるという意味もある。
*草抜き
土の世界を壊さないために、草は抜かずに刈る。
イネ科は抜くこともあるが、捨てるのではなく活用する。
*風の草刈り
風で揺れる場所で切ると、生育の勢いがなくなり、徐々に衰えていく。 =風が自然界を助けている。
冬のもりのわ畑は14時を過ぎると日が当たらなくなるので、この辺でHot tea timeへ。
フェアトレードの紅茶を飲みつつ、
参加者は畑を始めている方ばかりなので、お話がつきません。
他、メモメモ
*木の棒で遊ぶ子供たちに石井ちゃんが時々かける声かけ。
パーマカルチャーの倫理「地球への配慮」「人への配慮」という点からすれば、森の木を人が所有する時、木に穴が空いていきものがいるかもしれない時は「森に還そう」。
また木の棒で人をぶつようなことがあれば、「この木はその子を叩くために生まれてきたわけではないよ」と言う。
*もりのわのお味噌汁用カップ
フェアトレードのものを利用している。→「人への配慮」
お味噌汁をいただいた後にはお鍋に水を入れ、コップをその水でさらい、飲む。→最後まで食を大事にする。
油ものは紙で拭いて、洗った水は庭にまくようにする。→「カスケード利用」
第一回目の「もりのわの環(わ)」
畑つくりということのノウハウというよりも、畑だけこうすれば良いということではなく、生活の一つ一つにどう自分が在れるのかに繋がるお話でした。
まだまだ奥が深いです。
次回も楽しみです。
(K・H)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(参加した皆さんの感想)
・今は、石井ちゃんがすぐそばにいる環境で、 聞けばいつでも何でも丁寧に答えてもらえる。今日、改めていろいろ聞く中で、 私はとても貴重な教え日々をもらってるんだなぁとしみじみ思った。
・一度聞いただけでは頭に入らないけれど、 これからもりのわの畑と共に歩むことでわかってくることもありそう。
・地球への配慮はつまり人への配慮。繋がってることがしみた。
・今日は石井ちゃんから貴重な話が沢山きけて、 畑だけでなく、生き方、生活のしかたなど、凄く衝撃をえた。
・子供だけでなく、大人にも沢山の知恵を得られるもりのわに感謝。
・卒園の方々が皆色々なカタチでもりのわを大切に思っているのだなと ひしひし感じた。 そしてこうやって在園ママと先輩卒園ママが一緒に過ごせる機会も これからも増えるといいなぁと思った。
・何より石井ちゃんが楽しそうでよかった。
・次からの実践がまたまた楽しみ。
・畑でも色々実践、まず土づくり。 石井ちゃんのお話と直ぐに実践出来る畑が揃ってること、本当に感謝。
・畑のど素人ですが、いきなり本質から教わることができて、 なんと幸せなことだろうかと。 受け入れてくださった皆様に、本当に感謝。
・石井ちゃんのお話。素晴らしすぎて感嘆のため息の連続。 地球への配慮。人への配慮。シェアの精神。まさに生き方。 私は、ジョギングインストラクターをしていて、動きの研究をしているのですが、 体と向き合って行く中で、まさにそこに行き着くと感じております。 昨日教わったことは、実践すべく生涯試みて行くことだなあと思っています。 これからもどんどん巻き込んでいただきき共に学ばせていただきたいです! 今回の企画、パーマカルチャー。第二回目参加したいです。 まず自分が一歩踏み出したら、質問がいっぱい出てきそう。。 もりのわの皆さんの穏やかで優しい雰囲気にも感激! 本当に楽しかった! 素敵な繋がりいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーRVF(NZ)のDVD紹介動画(PCQ作成)
こんど上映会しましょうー。
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